平時こそBCPの実効性を高める鍵|推進体制の構築と継続的改善のポイント

事業継続計画(BCP)に関する研修を受ける職員の様子を、抽象的なイメージで表したもの。 実務運用とフォローアップ

事業継続力強化計画(BCP)は、策定して終わりではありません。
自然災害や感染症などの危機に直面したとき、計画が実際に機能するかどうかは、**「平時の推進体制」**の有無にかかっています。

中小企業庁の指針でも、単なる書面策定ではなく、平時からの訓練・教育・見直しによる実効性確保が強調されています。
この記事では、行政書士の視点から、BCPの「平時の推進体制」を確立するための具体策を整理します。


経営層主導の体制構築とコミットメントの明確化

BCPは経営者の意識と行動によって初めて機能します。
経営層が主導して体制を整えることが、最も重要なスタート地点です。

  • 経営者のリーダーシップ
    経営者が自らBCPの意義を明確にし、全社員に方向性を示すことで、組織全体の行動が統一されます。
  • 平時の体制整備
    「災害対策委員会」「安全衛生委員会」など既存の組織にBCP関連機能を組み込む形で整備するのが効果的です。
  • 管理職の役割明確化
    緊急時に誰が指揮をとるのかをあらかじめ定めておくことが、初動の混乱を防ぎます。

📘中小企業庁「基本方針」では、
「経営者が主導的な役割を果たしつつ、平時から実効性を確保する取組を実施すること」が求められています。


推進体制の主要機能:訓練・教育と情報共有

実効性のある推進体制には、教育・訓練・情報共有の3本柱が欠かせません。

  • 年1回以上の訓練・教育を実施
    災害・停電・通信障害・感染症など、複数のシナリオを想定した訓練を計画的に行います。
    訓練は「実践型」で行い、マニュアル通りに動けるかを確認することが重要です。
  • BCPの浸透と理解の促進
    社内掲示や朝礼、定例会議などで「なぜこの訓練を行うのか」を説明し、社員が目的を理解できるようにします。
  • 重要情報の保護と共有
    売上帳・契約書・設計図等は、クラウドや耐水耐震の保管体制で二重管理し、必要な担当者間で安全に共有します。

「策定の手引き」では、
「年に一回以上の訓練及び教育」「情報共有を通じた計画内容の浸透」を明示的に求めています。


継続的改善(PDCA)による運用サイクルの確立

計画の実効性は、**継続的な見直し(Check)と改善(Act)**によって磨かれます。

  • 年1回以上の定期的な見直し
    経営環境や人員の変化、訓練結果を反映し、現実に即した計画へと更新します。
  • 訓練結果のフィードバック
    訓練後に振り返り会議を実施し、課題と改善策を次年度の計画に反映させます。
  • 文書・手順の更新
    担当者変更、通信手段の追加、避難経路変更など、細かな改訂を怠らないことが重要です。

「基本方針」では、
「経営環境の変化に応じた計画の見直しを継続的に行うこと」が明確に求められています。


まとめ

BCPは、「書く計画」から「動く仕組み」へ
実効性を高めるためには、平時からの以下の3つのサイクルが鍵となります。

  1. 経営層が主導して、推進体制を明確にする
  2. 訓練・教育・情報共有を組織的に実施する
  3. 定期的な見直しでPDCAを回す

平時に整えた体制こそが、有事における“企業の生命線”です。
行政書士事務所POLAIRE(ポレール)では、計画策定だけでなく、訓練実施・教育・更新体制の構築までを一貫して支援しています。

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